本文へ移動

ホーム / ゲーム

ゲーム更新

【レビュー】『天穂のサクナヒメ~ヒヌカ巡霊譚~』稲作ガチ勢歓喜!スマホなのに本家より深い米作りシミュレーターが最高すぎた

『天穂のサクナヒメ~ヒヌカ巡霊譚~』メインビジュアル。田んぼを背にサクナヒメ・ヒヌカヒメ・タマ爺・コヨミ・ココロワヒメ・カムヒツキと稲の精霊たちが並ぶ公式アート
『天穂のサクナヒメ~ヒヌカ巡霊譚~』より引用
この記事の目次

どうも、なす(@nasuyowa)です。

「米作りってこんなに大変なの……?」

実際にプレイしていて、本気でそう思いました。2026年2月の配信直前に『天穂のサクナヒメ~ヒヌカ巡霊譚~』を遊ぶ機会があったのですが、稲作パートのこだわりぶりがすごすぎて、あっという間に時間が溶けてしまったんです。「これ、本当にスマホゲームだよね……?」と何度も疑ってしまうレベルの作り込みでした。

『天穂のサクナヒメ~ヒヌカ巡霊譚~』メインビジュアル。田んぼを背にサクナヒメ・ヒヌカヒメ・タマ爺・コヨミ・ココロワヒメ・カムヒツキと稲の精霊たちが並ぶ公式アート
『天穂のサクナヒメ~ヒヌカ巡霊譚~』より引用

なお、本作は2026年7月27日にサービスを終了しています。いまから新しく遊ぶことはできないため、その点は先にお伝えしておきます。

この記事では、僕が配信直前に遊んで感じた実際の手触りを中心に振り返ります。サービス終了後の現在できること(公式YouTubeでの物語公開、有償通貨の払戻し、原作ゲームの案内)も記事の最後で詳しくまとめました。

『天穂のサクナヒメ~ヒヌカ巡霊譚~』とは

本作は、大ヒット作『天穂のサクナヒメ』の世界観を引き継いだ新作タイトルです。原作は全世界で累計出荷150万本を突破し、「令和の米騒動」とまで呼ばれた和風アクションRPGです。

その世界をスマートフォン向けに広げた作品として、2026年2月5日にiOS/Android向けに配信が始まりました。

基本的な製品情報は以下の通りです。

  • タイトル:天穂のサクナヒメ~ヒヌカ巡霊譚~
  • ジャンル:稲作シミュレーション×探索バトルRPG
  • 対応OS:iOS/Android(Windows(Steam)版はリリース見送り)
  • 価格:基本無料(アイテム課金あり)
  • リリース:2026年2月5日
  • サービス終了:2026年7月27日 16:59

企画・制作・配信はTOHO Games、開発・運営はG2 Studios株式会社が担当し、原作を手掛けた「えーでるわいす」も設定やストーリーの共同創作に参加しています。単なる名前貸しの監修ではなく、制作に深く関わっているのが心強いポイントです。

主要キャラクターデザイン・監修は村山竜大さん、イラストは七原しえさん、音楽は藤澤慶昌さんが担当されています。さらに農研機構の協力に加え、歴史監修や神道監修まで入っていました。お米作りと神話の世界観に、最初から本気で向き合っている布陣です。

サクナヒメの公式立ち絵。結い上げた黒髪に赤い花飾りと長いリボンを付け、青紫と金の衣装をまとい農具を携えた本作の主人公
『天穂のサクナヒメ~ヒヌカ巡霊譚~』より引用

単なる原作のスマホ移植ではありません。新主人公のヒヌカヒメを中心に、突如現れた「謎の群島」を舞台とするオリジナルストーリーが描かれます。メインシナリオはフルボイスで、しっかりとした読み応えがありました。

なお、動作環境はiOS 17.0以上(iPhone 11以降)、Androidは12以上(RAM 4GB以上、Snapdragon 865相当以上)と、比較的新しい端末が求められる仕様でした。プレイ開始時の必要容量はiOSで約2.4GB、Androidで約2.5GBです。

実際のゲーム画面。薄暗い森の中でサクナヒメがヒヌカヒメと出会う物語の場面で、画面下にサクナヒメのセリフ「ふぅ……危ういところじゃったのう。おぬし、怪我はないか?」が表示されている
『天穂のサクナヒメ~ヒヌカ巡霊譚~』より引用

物語と世界観――謎の群島とヒヌカヒメ

物語の舞台は、突如として現れた「謎の群島」です。

サクナヒメたちに下された勅命は、この未知の群島を調査することでした。調査を進めるなかで、かすかな記憶を頼りに父親を探している少女「ヒヌカヒメ」と出会います。そして仲間たちとともに米を作りながら、群島の開拓に挑んでいくことになります。「巡霊と豊穣の物語」という副題の通り、本格的な米作りと神様たちのドラマが深く絡み合っていく構成です。

公式サイトのゲーム紹介画像。謎の群島のフィールドマップと、記憶を失ったヒヌカヒメが登場する序章の場面
『天穂のサクナヒメ~ヒヌカ巡霊譚~』より引用

主人公サクナヒメの声は大空直美さん、ヒヌカヒメはMachicoさんが担当しています。

そのほかにも、タマ爺(鳴海崇志さん)、コヨミ(伊瀬茉莉也さん)、ココロワヒメ(衣川里佳さん)、カムヒツキ(小日向みわさん)、オモチヨヒメ(青山吉能さん)、ヒヒカカヒメ(佐藤榛夏さん)、アクチタテヒコヌシ(三宅健太さん)、ハリトギノミコト(中谷一博さん)といった声優陣が出演。原作ファンにもおなじみのキャストが勢ぞろいしていました。

ヒヌカヒメの公式立ち絵。大きな編み笠を頭に被り、えんじ色の衣装に深紅のマントを羽織った本作のキーパーソン
『天穂のサクナヒメ~ヒヌカ巡霊譚~』より引用

ストーリーは章立てで順次配信されていく形式でした。

なお、アプリ内で配信されたのは最終的に第四章までとなっています。未実装のまま終わった第五章はサービス終了後に公式YouTubeで配信され、物語を締める最終章は公開予定となっています(詳細は後述の「その後」の節で解説します)。

稲作パートのガチ度がハンパない

本作の最大の魅力は、なんといっても稲作パートです。原作でも「農林水産省の公式HPが攻略サイトになる」と言われるほど本格的な米作りが話題になりました。

ところが、ファミ通の取材記事を読むと、TOHO Gamesのスタッフが「米作りに関しては本家より深く掘り下げています」と語っていたのです。本家より深いって、マジか。

実際の稲作は、四季の4段階に分かれて進みます。冬に種もみの準備、春に田を耕して田植え、夏に溝切りや中干しと水量調整、秋に収穫した稲を天日干し……という流れです。

ゲーム内では1つの季節に約1時間半かかり、一連の稲作を終えるまでに約6時間が必要になります。

公式サイトの稲作紹介画像。夏工程の「溝切り」「中干し」「水量調節」などの作業を選ぶ稲作指示画面と、稲作能力値のレーダーチャートを示す収穫結果画面が紹介されている
『天穂のサクナヒメ~ヒヌカ巡霊譚~』より引用

そして驚かされたのが、設定項目の多さです。「種もみの選別はどうする?」「消毒の期間は?」「消毒の水温は何度?」「浸種はどうする?」「水に漬ける日数は?」……と、序盤から専門用語の指示が次々と並びます。

「これ、本当にスマホゲームだよね?」と何度も画面を確認したくなるほどの濃さでした。

さらに、気温や天候も稲の成長にリアルタイムで影響します。気温が高い日に水が少ないと水温が上がりすぎてトラブルが起きますし、逆に水を張りすぎても発育に悪影響が出ます。

種もみにも品種ごとの性質があり、暑さに弱い品種、寒さに弱い品種、病気にかかりやすい品種などさまざまです。気にすべき変数がとにかく多く、まったく油断ができません。

実際の「稲作指示」画面。夏工程の溝切り・中干し・水量調節といった作業項目と、背後に稲が育つ水田が表示されている
『天穂のサクナヒメ~ヒヌカ巡霊譚~』より引用

なお、ファミ通の先行レビュー記事では、「いわゆるwiki的な、固定化した攻略って通用するんですか?」という質問に対して「たぶん無理」との答えが返っていたと伝えています。それだけ変数の多い作りということです。

スマートフォン向けとは思えないほど硬派な作りです。ですが、この妥協のなさが遊んでいて最高に心地いい。手探りで試行錯誤を重ねながら、よりよい米を追求していく作業が超楽しかったです。

実際の収穫結果画面を見ると、その細かさがよく分かります。収穫した米は「量・味・硬・粘・美・香」という6項目の数値とレーダーチャート、そして「格」による評価で示されます。

実際の収穫結果画面。「格0」の評価と量・味・硬・粘・美・香のレーダーチャート、稲の状態(本数・水分保有量・積算気温・光合成状況)、発生しうる病害の一覧が表示される
『天穂のサクナヒメ~ヒヌカ巡霊譚~』より引用

それだけでなく、稲の本数や水分保有量、葉の光合成状況、さらには発生しうる病害まで一覧で確認できる徹底ぶりです。「いもち病」「馬鹿苗病」「ごま葉枯病」、「出すくみ」や「胴割米」など、表示される病気や障害の名前まで本格的でした。

この格を上げるべく設定を練り直して再挑戦する、トライ&エラーの面白さがここにあります。

そして、本作ならではの大きな特徴が、実在するブランド米が多数登場する点です。

コシヒカリ、あきたこまち、ひとめぼれ、初星、あきほ、つがるロマン、はえぬき、まっしぐら、雪若丸、ほしのゆめ、ほしたろう、ゆめぴりか、ななつぼし、黄金晴、あきほなみ、ヒノヒカリと、公式サイトに載っているだけでも16品種におよびます。

さらに、品種同士を掛け合わせて新しい米を解放していく「家系図」のシステムも用意されていました。お米が好きな人なら、品種のつながりを眺めているだけでもワクワクするはずです。

実際の「家系図」画面。コシヒカリを起点に初星・ひとめぼれ・ほしのゆめ・ななつぼし・ゆめぴりかなどの品種が系譜でつながっている
『天穂のサクナヒメ~ヒヌカ巡霊譚~』より引用

なお、ファミ通の取材記事によると、アイテムを使って稲作の時間を短縮することも可能でした。ただし時間を飛ばすと、自分が設定した指示がどう稲に影響したのか確認しづらくなるという注意点もあったようです。

手早く進めるよりも、じっくりと設定を突き詰めて収穫の時を待つプレイスタイルこそが、このゲーム本来の面白さだと感じます。

作った米が強さになる――稲の精霊・献立・心想神画

手塩にかけて育てたお米は、なんとキャラクターの装備品になります。

米が持つステータスがキャラクターの能力値に直結しており、たとえば「量」は生命力に、「味」は攻撃力に反映されます。つまり、良い米を収穫すればするほど仲間が強くなっていく仕組みです。

実際の「米詳細」画面を見ると、たとえば「格4のはえぬき」には生命力226、攻撃力87、防御力71といった数値が割り振られていました。

良い米を育てることがそのまま部隊の戦力強化につながるという、原作の根底にあるテーマをしっかりと受け継いだ作りになっています。

「米詳細」画面。格4のはえぬきに生命力・攻撃力・防御力の数値と量味硬粘美香のステータスが表示されている
『天穂のサクナヒメ~ヒヌカ巡霊譚~』より引用

また、新しい品種を解放していくと「稲の精霊」が現れ、冒険をサポートしてくれるようになります。

稲穂をあしらった着物をまとった小さな神様たちで、品種解放を進めるほど出会えるコレクション要素にもなっていました。

公式サイトの「稲の精霊」紹介画像。品種の家系図と、コシヒカリ・あきたこまち・はえぬき・ひとめぼれ・初星の精霊が並ぶ
『天穂のサクナヒメ~ヒヌカ巡霊譚~』より引用
稲の精霊の公式立ち絵。稲穂をあしらった着物をまとった小さな神様のキャラクター
『天穂のサクナヒメ~ヒヌカ巡霊譚~』より引用

キャラクターの強化方法はこれだけではありません。収穫した米や食材を使って料理を作り、それを食べさせる「献立」システムも用意されています。

キャラクターごとに指定された献立を完成させると「段位」が上がり、能力値が大きく伸びます。公式FAQによると、段位を上げるには指定された5品すべての料理を調理する必要があるとのことでした。

ゲーム内の画面でも、ヒヌカヒメが「すっぽん汁」を調理して生命力・攻撃力・防御力が上昇する様子が確認できます。「食事をして強くなる」というサクナヒメならではの魅力が、ここにもしっかり息づいていました。

公式サイトの強化紹介画像。米のステータスと、米や料理を食べさせてキャラクターを育てる仕組みが図解されている
『天穂のサクナヒメ~ヒヌカ巡霊譚~』より引用
実際の「段位強化」画面。ヒヌカヒメが「すっぽん汁」を作り、生命力・攻撃力・防御力の上昇値が表示されている
『天穂のサクナヒメ~ヒヌカ巡霊譚~』より引用

一般的なRPGの装備カードにあたるのが「心想神画(しんしんしんが)」です。

美麗なイラストが描かれたカードを装備することで、キャラクターの各種ステータスを底上げできます。テレビアニメ『天穂のサクナヒメ』の名場面を使ったカードだけでなく、アニメ制作を手掛けたP.A.WORKSによる描き下ろしイラストも多数収録されていました。これはファンにとって嬉しい要素です。

カードの詳細画面には「昇進」や「格強化」といったメニューが並んでおり、手に入れた神画をじっくり育てていく育成要素も用意されていました。

公式サイトの「心想神画」紹介画像。装備で能力値が上がる仕組みと描き下ろしイラストの例が示されている
『天穂のサクナヒメ~ヒヌカ巡霊譚~』より引用
実際の「心想神画詳細」画面。神画「談笑」の能力(攻撃力上昇)と昇進・格強化の操作項目が表示されている
『天穂のサクナヒメ~ヒヌカ巡霊譚~』より引用

探索とバトル――シンプル操作と手強いボス

アクションパートでは「謎の群島」を探索していきます。操作はスライドとタップだけのシンプルな設計で、4人パーティーのうち自分が直接動かすのは1キャラのみ。残りの仲間はオートで行動してくれます。基本はフィールドの探索を進めつつ、出現する敵を倒していくスタイルです。

見下ろし視点の画面では、デフォルメされたSDキャラクターたちが駆け回ります。画面上部に4人のパーティーアイコンとHPゲージ、左上にミニマップ、さらに「自動戦闘+SP」や「集合」といった指示ボタンが並ぶレイアウトでした。アクションの操作そのものは手軽ですが、事前の編成や育成の成果がしっかりと問われます。

バトルは最大4人の仲間を編成し、稲の精霊を連れてクエストに挑む形式です。

編成画面では「壱・弐・参・肆」の4つの枠それぞれに育てた米の品種を割り当て、部隊の総合戦力や推奨属性を確認できるようになっていました。

公式サイトの編成・バトル紹介画像。仲間4人の編成スロットとフィールド上の戦闘場面が図解されている
『天穂のサクナヒメ~ヒヌカ巡霊譚~』より引用
実際の「編成」画面。壱・弐・参・肆の4枠に米品種を割り当て、総合戦力と推奨属性が表示されている
『天穂のサクナヒメ~ヒヌカ巡霊譚~』より引用

普段の探索は軽快に進みますが、要所で待ち受けるボス戦はガチで手強く、しっかりとした強化と良い米の装備が欠かせませんでした。

探索で新たな種もみを手に入れる

↓

稲作で丹精込めて米を育てる

↓

収穫した米や料理で部隊を強化する

↓

さらなる強敵が待つ未開の島へ挑む

この一連のサイクルがとにかく魅力的で、一度ハマるとどこまでもやれてしまう中毒性がありました。

実際の探索バトル画面。フィールドでサクナヒメと仲間たちが敵と戦い、HPバーと自動戦闘ボタンが表示されている
『天穂のサクナヒメ~ヒヌカ巡霊譚~』より引用

課金と広告の設計――買い切りキャラと米まみれの広告

本作は基本プレイ無料(アイテム課金制)のゲームですが、操作できるキャラクターはゲーム内での配布や買い切り形式で手に入る仕組みでした。

ガチャから排出されるのは装備にあたる「心想神画」や限界突破用のアイテムが中心で、キャラクターの購入にはゲーム内で手に入る無償通貨も使えます。「使いたいのに出ない」というガチャ特有のストレスが少なく、プレイヤーにとって本当にありがたい設計でした。

ゲーム内通貨は「八雲小片(有償)」で、App Storeの価格設定では160個(160円)から12,000個(10,000円)までのまとめ買いや、「おまもり」(500円)などが用意されていました。

なお、公式FAQによると有償の八雲小片はiOSとAndroidの間でデータを引き継ぐことができない仕様でした。そのため、課金する際は遊ぶ端末をあらかじめ決めておく必要がありました。

ファミ通の先行レビュー記事に掲載された「稲作完了道具選択」の画面では、稲作の完了を待たずにすぐ終わらせる手段として「八雲小片を30個使う」「うつろいの粉を使う」「広告を視聴する」という3つの選択肢が並んでいました。

同じ画面には、八雲小片による時短は「本日20回まで」、広告視聴の回数は午前5時に更新される仕様も確認でき、時短アイテムに頼りすぎないバランスが意識されていたことがうかがえます。

システム周りの仕様についても少し触れておくと、公式FAQによると探索で消費する行動力は5分につき1回復し、デイリー更新は午前5時。また日本国外からのアクセスには対応していませんでした。

ソーシャルゲームとしての枠組みを取り入れつつも、キャラクターは直接入手でき、ガチャは装備中心、広告はお米関連に絞るなど、過度な課金圧を感じさせない親切な設計思想が伝わってきます。

特にユニークだったのが、ゲーム内に表示される広告の方針です。

無料ゲームでおなじみの「広告動画を見て報酬をもらう」仕組みはあるのですが、流れる広告の内容をお米や農業、食に関するものや『天穂のサクナヒメ』関連だけに限定する予定だと報じられていました。

広告でお米の映像を見たら、ゲームの中でもお米ができる。なんというサクナヒメらしさでしょうか。世界観への徹底したこだわりを感じる演出です。

ちなみに、心想神画の描き下ろしイラストは、配信前の事前登録キャンペーンの報酬としても用意されていました。

食卓を囲んでご飯やおにぎりを美味しそうに頬張るサクナヒメたちの姿が描かれており、キャラクターの入手方法や広告のテーマと同様、作品の持つ温かい雰囲気が細部まで貫かれていたことが分かります。

事前登録報酬の心想神画イラスト。食卓を囲んでご飯やおにぎりを頬張るサクナヒメと仲間たちの描き下ろしアート
『天穂のサクナヒメ~ヒヌカ巡霊譚~』より引用

その後――サービス終了と、今できること

ここからは、僕がプレイした2026年2月以降の公式な動きについて整理します。冒頭でも触れた通り、本作は2026年7月27日16:59をもってサービスを終了しました。

公式発表を追っていくと、リリースから終了までの経緯は以下のようになっています。

  • 2026年2月5日:iOS/Android版が正式リリース
  • 2026年4月27日:サービス終了を告知(「今後お客様にご満足いただけるサービスの提供が困難であるとの判断」と説明)。同日17:00に公式WEBストアでの新規販売を終了
  • 2026年5月28日:有償通貨「八雲小片(有償)」の販売を停止。メンテナンス後に探索四章『白菊島』を追加(これが最後の新章)。Windows(Steam)版のリリース見送りとストアページ公開停止を発表
  • 2026年7月9日:JA山形市との「まんぷくコラボセット」(はえぬき5kg+オリジナルステッカー)の予約受付を開始
  • 2026年7月27日:16:59をもってサービス終了

配信開始から終了告知まで約2か月半、実際のサービス終了まで約5か月半という短い運営期間でした。それでも終了直前までJA山形市とのコラボセットを予約販売するなど、「米」を軸にした独自の試みを最後まで貫いていたのが印象的です。

ストアでの評価を見ると、2026年9月時点でApp Storeでは星4.3(レビュー約7,350件)、Google Playでは星3.6(レビュー約6,710件・10万回以上のダウンロード)となっていました。特にiOS側での評価は高く、短い期間でありながら一定の支持を集めていたことがうかがえます。

JA山形市とのコラボステッカーシート。サクナヒメ・ヒヌカヒメ・タマ爺・コヨミ・ココロワヒメと稲の精霊のはえぬき・雪若丸が並ぶ
『天穂のサクナヒメ~ヒヌカ巡霊譚~』より引用

ゲーム自体のサービスは終了してしまいましたが、現在からでも確認できることや遊べる要素が3つあります。

1. 公式YouTubeで物語を追う

ゲームのサービス終了と同じ2026年7月27日17:00から、公式YouTubeチャンネルにてシナリオ動画の公開が始まっています。

アプリ内では配信されなかった第五章「嵐と夢想の酒宴」もここで初めて公開され、現在は序章から第五章までの映像を無料で視聴可能です。物語を締めくくる最終章は2026年9月30日に公開予定と報道されています。

ゲームを直接プレイすることはできなくなりましたが、ヒヌカヒメたちの旅路の結末はしっかりと見届けることができます。

2. 未使用の有償通貨の払戻し手続きを行う

ゲーム内で購入した「八雲小片(有償)」が手元に残っている方を対象に、2026年7月27日17:00から2026年10月26日16:59まで払戻しの申請を受け付けています。この記事を書いている2026年9月現在も受付期間内です。

専用の返金申請フォームから、プレイヤー名・お問い合わせID・プレイヤーID・未使用の有償八雲小片の数を入力して手続きを行います。払戻しは1個あたり1円換算で、受け取りは「WalletCho」を通じてセブン銀行ATM、銀行口座、au PAY、PayPay、Amazonギフトカードから選択可能です。振込手数料は東宝側が負担してくれます(無償で入手した分は対象外です)。

ここで非常に重要な注意点があります。払戻しの手続きが完了する前にアプリをアンインストールしたり再インストールしたりすると、必要なIDが確認できなくなり、返金を受けられなくなってしまいます。対象となる方は、払戻しが終わるまで絶対にアプリを削除しないでください。

3. 原作『天穂のサクナヒメ』を遊ぶ

本作の原点である『天穂のサクナヒメ』は、Nintendo SwitchやPlayStation 4向けに現在も好評発売中です。パッケージの「BEST PRICE」版は2,980円+税とお手頃で、PC(Steam/Epic Gamesストア)でもプレイできます。

スマートフォン版とは別個のゲームなのでセーブデータやストーリーの引き継ぎはありませんが、「骨太でガチな稲作シミュレーション」を今すぐ楽しみたいなら、間違いなくこちらが決定版です。何より買い切りの家庭用ゲームなので、サービス終了を気にせず自分のペースで末永く楽しめます。

原作『天穂のサクナヒメ』のメインビジュアル。稲穂と山を背に武神の衣をまとったサクナヒメの公式アート
『天穂のサクナヒメ』より引用
原作『天穂のサクナヒメ』のゲーム場面。日ノ惠島の集落でサクナヒメと仲間たち、犬たちが茅葺きの家の前に集まっている
『天穂のサクナヒメ』より引用
マーベラス(MARVELOUS)
¥2,880 (2026/10/27 00:48時点 | Amazon調べ)

まとめ

正直に言うと、遊ぶ前は「スマホ向けだし、稲作パートは手軽に簡略化されているんだろうな」と思っていました。ですが、その予想は完全に裏切られました。

本家を超える深さと評された稲作システムは、万人受けを狙って妥協するのではなく、「本格的な米作りを描く」というテーマから決して逃げない一点突破の作り込みでした。商業ソーシャルゲームの枠組みを超えて、まるで熱量の高いインディーゲームに触れているような気合を感じます。

スマートフォンという端末だからこそ、出かける前に指示を出して待機し、帰ってきたら結果を確認して次の作業へ進める……といったように、日々の生活リズムに合わせて遊べたのも大きな魅力でした。

1回の収穫までに約6時間はかかりますが、スマホで遊ぶなら”待たされている感”は少ないはずです。

いい意味で「よくあるスマホゲーム」らしさを感じさせない作りで、僕自身めちゃくちゃ好印象を持っていました。ここまで本格的に試行錯誤しながらお米作りを楽しめる体験は、他のゲームではなかなか味わえません。

およそ半年という短い運営期間で幕を閉じてしまったのは本当に惜しまれますが、ヒヌカヒメたちの物語は公式YouTubeチャンネルで最後まで追うことができます。

そして、この徹底した稲作体験の原点である『天穂のサクナヒメ』は、いまも買い切りタイトルとして販売されています。「米は力だ」という独特の世界観に少しでも惹かれた方は、ぜひ原作のサクナヒメを遊んでみてください。農林水産省のホームページを片手に予習してから挑むと、より深く楽しめるはずです。

どうも、なす(@nasuyowa)です。

映画と漫画、アニメ、ゲームが好きです。面白かった作品や、買ってよかったものを紹介してます。

← トップへ戻る