どうも、なす(@nasuyowa)です。
『龍の歯医者』は、スタジオカラーが初めて手がけた長編テレビアニメです。原作・脚本に小説家の舞城王太郎、監督に『フリクリ』の鶴巻和哉、制作統括・音響監督に庵野秀明を迎えた冒険ファンタジーとなっています。
今回は『龍の歯医者』がどんな作品なのか、あらすじやキャスト、スタッフのほか、配信で見られるサイトやBlu-rayなどの関連情報まで分かりやすくまとめました。
『龍の歯医者』はどんなアニメ?

『龍の歯医者』は、スタジオカラーが制作した45分×2本のテレビアニメです。NHK BSプレミアムで、2017年2月18日に前編「天狗虫編」、2月25日に後編「殺戮虫編」が放送されました。
前編と後編を合わせても約90分。映画1本分の感覚ですっきりと観られる構成になっています。動画配信サービスでも全2話として扱われているので、何十話もあるアニメと違って気軽に観始められます。
その後、2017年4月にはNHK総合でも2週連続で放送されました。同年末には、音響を劇場向けに作り直した特別版の上映も行われています。
制作のきっかけは、ドワンゴとカラーによる共同企画『日本アニメ(ーター)見本市』でした。2014年に第1弾として公開された短編『龍の歯医者』をベースに、テレビアニメとして長編化された作品です。
ジャンルとしては戦争もののダークファンタジーにあたります。「龍の歯医者」という変わった設定ですが、描かれるのは過酷な戦乱と死生観。ふざけた感じは一切なく、シリアスで重厚な物語が展開します。
| タイトル | 龍の歯医者 |
| 話数 | 全2話(前編「天狗虫編」・後編「殺戮虫編」)各45分 |
| 放送 | 2017年2月 NHK BSプレミアム/同年4月 NHK総合 |
| 制作 | スタジオカラー |
| 監督 | 鶴巻和哉 |
| 原作・脚本 | 舞城王太郎(脚本:榎戸洋司) |
| 配信 | dアニメストア・DMM TV・U-NEXT・バンダイチャンネルほか(2026年9月時点) |
あらすじ:龍の国の歯医者と“黄泉帰り”の少年
舞台は「龍の国」。神話の時代から龍が棲むこの国では、古の契約によって「龍が人を助け、人が龍を助ける」という共生関係が続いています。

主人公は15歳の少女・岸井野ノ子。「美味しいご飯がお腹いっぱい食べられる」と聞いて試験を受け、龍に選ばれて新米の「龍の歯医者」になりました。
龍の歯医者とは、国の守護神である龍の歯を虫歯菌から守る仕事のこと。巨大な歯に棲みつく虫歯菌は、野ノ子たちの命を脅かす危険な存在でもあります。
隣国との戦争が激しくなるなか、野ノ子は龍の歯の上で行き倒れていた敵国の少年兵を見つけます。少年の名はベルナール・オクタビアス、通称ベル。彼は「黄泉帰り(よみがえり)」という不思議な現象によって、巨大な歯の中から生き返った存在でした。

戸惑うベルを励まし、後輩の歯医者として受け入れていく野ノ子。激しい戦乱に巻き込まれながら、2人がそれぞれの運命と向き合っていく姿が描かれます。
前編「天狗虫編」は、野ノ子がベルを救い出し、初めての後輩に張り切るところから物語が始まります。しかし、この黄泉帰りは国を揺るがす大きな異変の前兆でもありました。

後編「殺戮虫編」では、虫歯菌「天狗虫」にむしばまれて地上へ落下した龍の歯を追って、野ノ子とベルが戦乱の渦中へ降り立ちます。2人を追う敵国セルペナーダの傭兵たち、そして天狗虫に取り憑かれて姿を消したベテラン歯医者の柴名。物語は一気にクライマックスへと加速していきます。
「歯医者」や「虫歯菌」という一見風変わりなモチーフを使いつつ、描かれるテーマは戦争と死生観。独特の世界観にぐっと引き込まれる展開です。
ちなみに、龍の歯医者たちが最も恐れている敵が巨大な虫歯菌「天狗虫」です。12年前に起きた「天狗虫事件」では多くの歯医者が命を落としており、その悲劇が後編の物語にも色濃く影を落としています。
短編版との関係:日本アニメ(ーター)見本市が発祥
『龍の歯医者』の原点は、2014年11月7日に公開された短編アニメです。
ドワンゴとカラーが共同で立ち上げた短編アニメの配信企画『日本アニメ(ーター)見本市』の第1弾として制作されました。毎週さまざまなクリエイターによるオリジナル短編が公開されるなか、そのトップバッターを飾った作品です。

短編版は、案内役の先輩に連れられて暗い通路を進む少女が、何も知らないまま龍の秘密へと近づいていく内容です。
原案・脚本・監督を舞城王太郎、アニメーション監督を鶴巻和哉が務め、キャラクターデザインを小坂泰之と亀田祥倫が担当しました。キャストは山寺宏一と林原めぐみの2人のみで、すべての登場人物を演じ分けています。
長編版でも監督の鶴巻和哉が続投し、舞城王太郎に榎戸洋司が加わって共同で脚本を担当しました。キャラクターデザイン・作画監督には井関修一を迎え、短編版とは異なる新たな顔ぶれで作られています。
なお、見本市の公式サイトは2018年末に閉鎖されたため、短編版は現在単体では配信されていません。短編版を観るには、すべてのバージョンを収録したBlu-ray特別版を手に入れるのが確実です(詳しくは後述します)。
登場人物・キャスト
主人公の岸井野ノ子を演じたのは、本作が声優初挑戦だった清水富美加。現在は「千眼美子」名義で活動していますが、クレジット上の表記は当時の「清水富美加」です。

敵国セルペナーダの少年・ベルナール・オクタビアス(ベル)を演じるのは岡本信彦。予科士官学校を経て従軍した17歳の少年兵で、「黄泉帰り」によって龍の歯から出現する、物語の鍵を握る人物です。

野ノ子の直接の先輩でリーダー格の悟堂ヨ世夫役は山寺宏一、ベテラン歯医者の夏目柴名役は林原めぐみ。短編版ですべての役を演じ分けた2人が、本作でも要所をしっかり支えています。


脇を固める他のキャスト陣も非常に豪華です。ブランコ役に松尾スズキ、有栖川役に名塚佳織、修三役に徳本恭敏、宗達役に高木渉、小澤役に櫻井孝宏、ギレリ役に津田健次郎が名を連ねています。
制作スタッフ
監督は鶴巻和哉。『フリクリ』などで知られる監督で、その後2025年には『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』の監督も務めました。
原作・脚本は舞城王太郎、脚本は榎戸洋司が共同で担当。キャラクターデザイン・作画監督は井関修一、制作統括・音響監督は庵野秀明です。
のちの『GQuuuuuuX』でも榎戸洋司がシリーズ構成・脚本、庵野秀明が脚本、井関修一がデザインワークスを担当しており、本作の主要スタッフが再び集結した形になっています。

音楽はTOMISIROとナカムラヒロシ(i-dep)。主題歌は小沢健二が作詞・作曲した「ぼくらが旅に出る理由」で、歌はRINKU(Mistera Feo)が担当しています。
『龍の歯医者』を観られる配信サービス
2026年9月時点で確認できた視聴方法をまとめます。配信状況は変わることがあるので、契約前に各サービスのページで確認してください。
見放題で観られるのは、dアニメストア、バンダイチャンネル、DMM TV、U-NEXTの4つです。dアニメストアとバンダイチャンネルは作品ページで見放題を確認済みで、DMM TVとU-NEXTはRakuten PLAYの配信情報に掲載されています。

1話ずつのレンタルは、Amazon Prime Video(SD画質440円)で提供されています。DVDを借りたい場合はTSUTAYA DISCASの宅配レンタルが選択肢です。なお、ニコニコ動画の「dアニメストア ニコニコ支店」にはシリーズページが残っていますが、現在は2話とも動画が非表示になっています。
なお、制作のカラーが告知していた配信先リストにはひかりTVとHuluも含まれていましたが、こちらは2022年時点の情報です。NHKオンデマンドでは現在配信されていないので注意してください。
料金面では、dアニメストアは月額660円(税込)、DMM TVは月額550円と、アニメ系の見放題サービスとしては手頃です。すでにいずれかを契約しているなら追加料金なしで全2話を観られます。
どれも未契約なら1話ずつのレンタルか、アニメのラインナップが豊富なdアニメストアあたりが選びやすいと思います。
Blu-ray・関連書籍
『龍の歯医者』のBlu-rayは2018年1月24日に発売されました。
特別版は『龍の歯医者』の全バージョンを収録した5枚組仕様です。本編の天狗虫編・殺戮虫編に加え、改訂版、統合劇場版、予告編集、『日本アニメ(ーター)見本市』の作品集ディスク、全28曲入りの劇伴音楽CDまで入った豪華仕様となっています。発表時の価格は20,000円(税別)です。

インナーボックスはキャラクターデザインの井関修一描き下ろしで、井関修一による「龍の歯医者」特別漫画や、見本市収録作品のデータベースを掲載したカタログも同梱されています。なお、通常版は5,800円(税別)です。

2017年末には新宿バルト9など3劇場で、全編の音響を作り直した特別版の劇場上映も行われました。
関連書籍では、設定資料集『体系的 龍の歯医者 録』(鶴巻和哉全面監修・A4判160ページ)がBlu-rayと同日に発売されました。短編版からの膨大なラフや、舞城王太郎・鶴巻和哉の構想プロットまで掲載された資料集です。
KADOKAWAの『公式ビジュアルガイド』は2017年11月に発売されており、メインキャストや制作スタッフのインタビューも収録されています。

漫画版もあります。月刊コミックジーンで連載された、ようこ作画の公式コミカライズで、単行本は2017年12月に発売されました。

ポチップ
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まとめ:『龍の歯医者』はこんな人におすすめ
全2話・約90分で完結するので、映画1本分の感覚で気軽に観られるのが一番の魅力です。スタジオカラーならではの作画と、「龍の歯医者」という奇抜な設定から広がる戦争と生死の物語は、90分とは思えない密度があります。
舞城王太郎×鶴巻和哉×榎戸洋司×庵野秀明という強力な制作陣、そして『GQuuuuuuX』につながるメンバーが集まった作品として、エヴァンゲリオンやカラー作品が好きな人には特におすすめしたい一本です。
尺も短くて観やすいので、気になる方はぜひ見放題サービスで前編「天狗虫編」から再生してみてください。
おわり!

