どうも、なす(@nasuyowa)です。
今回は2026年1月29日にNintendo Switch、PS5、PC(Steam)向けに発売された『DUSK INDEX: GION』を実際に遊んだので、その感想をがっつり書いていきます。
このゲームを一言で表すなら、「サイバーパンクな京都で100年前の殺人事件を追うSFミステリー・ビジュアルノベル」です。開発は『Tokyo Dark』を手がけたCherrymochiで、販売はブシロード。この基本設定の時点でかなりそそられます。

物語の核心に触れるネタバレは避けて書いていますが、序盤の設定や実際のゲーム画面は掲載しています。完全に前情報なしで楽しみたい人は気をつけてください。
なお、価格や対応機種といった販売情報は、2026年9月時点の公式サイト・各ストアの情報をもとにしています。
『DUSK INDEX: GION』とは
『DUSK INDEX: GION』は、京都・祇園を舞台にしたサスペンス系のビジュアルノベルゲームです。
人情味あふれる明治時代と、現実とは異なる技術発展を遂げた「2006年の京都」。100年の時を隔てた2つの京都で起きた怪奇殺人事件の謎を、それぞれの時代に生きるバディが追っていく構成になっています。

タイトル画面を見るだけでも、独特のアートスタイルに目を奪われます。この時点で作品の持つ空気感がしっかり伝わってきます。
原作・シナリオを手がけるのは『Tokyo Dark』のCherrymochiで、ブシロードとの共同開発タイトルです。Steamストアの開発者クレジットにはmebius.の名前も入っています。
キャラクターデザインは呉々さんで、立ち絵やイベントCGの綺麗さは画面をぱっと見るだけでもよく分かります。

基本的な製品情報は以下の通りです。
- 発売日:2026年1月29日(Steamストア表記は1月28日)
- 対応機種:Nintendo Switch/Steam/PlayStation 5/Xbox(Xbox版のみ未発売・後述)
- 希望小売価格:3,520円(税込)
- プレイ人数:1人
- 対応言語:日本語・英語
- レーティング:CERO C(15歳以上対象)
- 原作・シナリオ:Cherrymochi/販売:ブシロード
ジャンルはいわゆるテキストを読み進めていくビジュアルノベルです。アクションの腕前や素早い操作が求められるゲームではなく、物語そのものをじっくり味わうタイプの作品になっています。
舞台は”もうひとつの2006年”の京都
物語の舞台は2006年の京都です。ただ、僕たちがよく知っている現実の2006年ではありません。作中では「LOOM」と呼ばれる拡張現実ネットワークが広く普及していて、人々はARアイウェアを装着して日常を過ごしています。少なくともテクノロジーの面では、現実の2026年よりも大幅に進んだ世界です。

京都にはLOOMを運営するハイパーコスミア社の本社が置かれ、IT企業が集結するサイバーシティと化しています。伝統的な町並みにネオンサインのようなホログラフィック装飾が重なる、和とサイバーの融合がたまりません。
空間にはARパーソナルアシスタント「ARI(アリ)」が浮かび、人と自然に会話を交わします。『電脳コイル』が好きな人なら間違いなく刺さる世界観です。

そんなデジタル全盛の世界に身を置きながら、主人公の勝木大樹(CV:阿座上洋平)は筋金入りのアナログ刑事です。
過去のある出来事がきっかけで、「現実と仮想の境界」が曖昧になることに強い恐怖を抱いており、できる限りARレンズを装着せずに生活しています。
デジタル機器の扱いはからっきしですが、相手の言動や表情の癖から本音を見抜く観察眼は抜群。このアナログな武器一本で現場を渡り歩いてきたベテランです。
最初は「超ハイテクな時代にそんなやり方で通用するのか?」と思いましたが、プレイを進めるうちに、彼の泥臭い魅力にどんどん引き込まれていきました。
明治と現代をまたぐ怪奇殺人事件
勝木が捜査を担当することになったのは、量子物理工学研究所で起きた殺人事件です。被害者は自身の研究室で命を奪われており、遺体の下には被害者自身の血で禍々しい紋様が描かれていました。

血で描かれた奇妙な紋様。儀式的な殺人を想起させる不気味な幕開けに、一気に引き込まれます。
ネットワーク上には有力な手がかりが残されていませんでしたが、勝木がデータ化されていない紙の古い資料を地道に洗ったところ、100年前の京都でまったく同じ手口の殺人事件が起きていたことが判明します。ここからの展開が実に秀逸です。

100年前、すなわち明治時代の京都でも、遺体の血で不可解な紋様が描かれる連続殺人事件が発生し、人々を恐怖に陥れていました。
しかしその事件は未解決のまま迷宮入りし、歴史の闇へと葬られています。作中におけるすべての発端が、この明治の事件です。

そこで捜査に加わるのが、LOOMを運営するハイパーコスミア社から派遣されてきた若きネットワーク技術者、クイン理音(CV:天麻ゆうき)です。
彼女は100年前の京都を丸ごと再現する歴史シミュレーションプロジェクト「Echoes of Kyoto(エコーズオブキョート)」の設計者で、当時の住民をAIとして再現することで事件の情報を探れると提案します。

こうして、超デジタル嫌いのベテラン刑事と、超デジタルネイティブの天才技術者による凸凹バディが結成されます。
アナログとデジタルの両面から、100年の時を越えた難事件の真相へ迫っていく。この構図だけでもかなりワクワクさせられます。
2つの時代を追う2組のバディ
本作の大きな骨組みとなっているのが、それぞれの時代で描かれるバディ関係です。現代パートで事件を追うのは、刑事の勝木と技術者のクインの2人です。

勝木は京都府警「新奇犯罪対策係」に所属する刑事で、所持しているARIも最低限の機能しかない旧型の「ディー」(CV:森嶋秀太)のみ。その代わり、人の表情や立ち振る舞いから違和感を察知する鋭い観察眼を頼りに捜査を進めていきます。

一方のクインは、エコーズオブキョートを構築した天才技術者です。生身の現実よりも仮想空間に親しみを感じていて、対面でのコミュニケーションが苦手な引きこもり気質。無類の猫好きで、連れているARIも猫型の「ギャラクシー」(CV:渡瀬結月)です。

仮想空間の可能性を信じるクインと、バーチャルを拒み続ける勝木。正反対の価値観を持つ2人が、反発しながらも少しずつ互いを理解し、信頼関係を築いていく描写がとても丁寧です。この凸凹コンビのやり取りは見ているだけでも飽きません。

そして明治パートで事件を担当するのが、刑事の長浜正義(CV:置鮎龍太郎)です。法と秩序を重んじる明治の警察官で、武士らしい気骨と近代化を受け入れる柔軟さを併せ持っています。
作中では長浜の視点からも1906年の事件を追っていくため、過去パートが単なる回想にとどまらず、ひとつの独立した重厚な捜査劇として展開します。

その長浜の捜査に関わっていくのが、京一番と評判の芸妓、咲(CV:日笠陽子)です。息を呑むような美貌だけでなく、非常に聡明で広い見識を持つ祇園の女性です。

規律を重んじる刑事と花街の芸妓という明治の組み合わせは、現代のアナログ刑事とデジタル技術者のコンビと綺麗な対照をなしています。時代を隔てて「水と油のような2人が手を組む」構図が一貫しているのが面白いところです。

脇を固める登場人物たちも粒ぞろいです。エコーズオブキョートの案内人を務めるヒカリ(CV:遠野ひかる)、京都府警期待の若手で勝木に対しても物怖じしない戸川巡査(CV:浦田わたる)、その戸川が連れている赤ちゃんアリクイ型ARIの素振りちゃん(CV:福嶋晴菜)など。2つの時代、2組のバディがひとつの真実へと収束していく物語がじっくり描かれます。
実際に遊んで分かった演出と読み応え
本作の世界観はかなり緻密に作り込まれています。現代ではなく2006年という過去の年を舞台にしつつ、現実より遥かに技術が進んでいる設定なので、最初は状況を把握するのに少し頭を使いました。
ですが、作中の丁寧な描写のおかげでスムーズに飲み込むことができます。いわゆる「地の文」がなく、登場人物の内面が独白のような形式で語られていくのが特徴です。キャラクターが何を思い、目の前の出来事をどう捉えているのかが克明に描かれるため、複雑な設定もしっかり理解しながら読み進められます。

舞台を少し過去に置いたことで、キャラクターたちが時代の急激な変化に直面している様子がリアルに伝わってくるのも興味深い点です。アナログな生活習慣とデジタル化の波がせめぎ合う空気感が、登場人物たちの葛藤の中にしっかり息づいています。
世界観を視覚化するアートワークも非常に洗練されています。難解になりがちなIT・ネットワークの概念をグラフィカルな演出でスタイリッシュに表現しており、難しすぎて置いていかれるような感覚がありません。ハッキングをはじめとする電脳空間の描写も独自のビジュアルで表現されていて、とても見応えがあります。

全体として張り詰めた緊張感が続くサスペンスですが、章の合間に挟まれる「インターミッション」が良いアクセントになっています。
ここではエコーズオブキョートの案内人であるヒカリが登場し、世界観の基礎知識をコミカルな掛け合いで解説してくれます。シリアスな本編を読み進めるうえで、ちょうどいい息抜きになっていました。

ゲームシステムとしては、選択肢のない一本道のビジュアルノベルです。ルート分岐やマルチエンディングを追う形式ではなく、1冊の長編小説をじっくり読み進めていくような手触りです。
時間制限付きの選択や複雑な操作で詰まることもなく、いつでもセーブできるため、自分のペースを保って進められます。なお、Switch版はTVモード・テーブルモード・携帯モードのすべてに対応しています。
気になった点――丁寧すぎる描写と序盤のテンポ
一方で、サスペンス作品として率直に気になった点もあります。それは、入り組んだ世界観や設定に対して、枝葉の部分の描写が手厚すぎる点です。
事件の謎が提示されてから現代と過去の出来事が直接交差するまでに約1時間、勝木が実際にエコーズオブキョートの探索へ入るまでには2時間以上かかります。
プレイヤー側からすると過去と現代のつながりに早い段階で察しがつくのですが、作中のキャラクターたちが手探りでそこへ到達する過程も詳細に描かれるため、序盤はやや進行が遅く感じられる場面がありました。

ただ、この丁寧さがあるからこそ、登場人物の人間味が際立っているのも事実です。勝木はデジタル嫌いですが、「圧倒的な実力で不便さをねじ伏せるスーパーマン」ではありません。デジタルを扱えないせいで普通に困り果てる場面も多く、現代人の感覚からすると少し頑固に見える描写もあえて盛り込まれています。
しかし、そこにはそうならざるを得なかった過去の事情がしっかり描かれています。こうした人間としての不完全さや複雑さが描かれている点は、本作の確かな魅力だと感じました。
価格・対応機種・体験版の現在情報
ここからは、購入を考えている人に向けて現在の販売情報を整理します。2026年9月時点における各ストアや公式サイトの案内は以下の通りです。
- Nintendo Switch:ダウンロード版・パッケージ版ともに販売中(希望小売価格 3,520円 税込)
- Steam:ダウンロード版販売中(希望小売価格 3,520円 税込/ストア表記のリリース日は2026年1月28日)
- PlayStation 5:ダウンロード版販売中(希望小売価格 3,520円 税込)
- Xbox:発売時期未定(詳細は後述)

Switchのパッケージ版は2025年9月4日から予約が始まっており、店舗別の購入特典も用意されていました。
公式サイトの案内によると、Amazonのデジタル壁紙、メロンブックスのアクリルキーホルダー(有償 +800円・税抜)、ソフマップのB2タペストリー、楽天ブックスや浅草マッハのアクリルキーホルダー、amiamiの2L判ブロマイド2種セットなどが展開されていました。

購入前に手触りを試したい人向けに、無料の体験版も配信されています。Steamでは2025年10月末から、My Nintendo Storeでは2026年1月20日からそれぞれ配信中です。
僕がプレイした2026年2月時点でもすでに配信されていたので、作中の雰囲気が自分に合うか確かめたい人はまず体験版から遊んでみるのがおすすめです。
PS5版については、PlayStation Storeでダウンロード版が販売されています。パッケージ版が発売されているのはSwitchのみで、PS5版とSteam版はダウンロード専売となっています。
Xbox版の購入を検討している人は注意が必要です。僕がプレイした2026年2月時点では「2月27日発売予定」と告知されていましたが、その後の2月25日に「諸般の事情により発売日を再度変更」と公式発表がありました。
変更後の発売時期は「決定次第改めてお知らせ」とされたまま、現時点でも未発売で新たな発売日は告知されていません。Xboxで遊びたい人は公式サイトの続報を待つ必要があります。
パッケージ版を手元に置いておきたい場合は、AmazonなどでSwitch通常版を購入できます。
ポチップ
発売後の展開――コミカライズとイベント
本作の発売後も、公式サイトを中心にさまざまな展開が行われています。
2026年2月には公式コミカライズが第3弾まで発表され、公式サイト内で無料公開されています。「京都、100年の時を越えた事件」(漫画:とりはた とさか)、「犬が苦手な刑事と猫を蘇らせた天才児のお話」(漫画:雨隠ギド)、「雪の日に咲いた桜」(漫画:高山しのぶ)の3本で、いずれもゲーム本編とは異なる視点から描かれたエピソードです。

また、2026年3月22日にはAKIHABARAゲーマーズ本店で発売記念イベント「トーク&お渡し会」が開催されました。出演キャストの阿座上洋平さん、天麻ゆうきさん、森嶋秀太さんが登壇し、特製ミニ色紙の特典付きで当日券の販売も行われていました。
なお、公式サイトでは動画・画像投稿ガイドラインが明記されているので、実況や配信を考えている人は配信可能な範囲をあらかじめ確認しておくと安心です。
どんな人におすすめ?
実際に遊んだうえで、特に以下のような人に向いている作品だと感じました。
- ミステリーやサスペンスの「読み物」を腰を据えて楽しみたい人
- 京都・祇園の町並みや、明治と近未来が交差するSF設定に魅力を感じる人
- 『Tokyo Dark』を手がけたCherrymochiの作風が好きな人
- 呉々さんが描くキャラクターデザインやイラスト表現が好みの人
- 阿座上洋平さん、置鮎龍太郎さん、日笠陽子さんをはじめとする実力派声優陣の演技を堪能したい人
- アクション操作や謎解きの手詰まりを気にせず、物語そのものに浸りたい人

逆に、テンポよく事件の真相へ突き進むスピーディーな展開を求めていると、序盤は少しもどかしく感じるかもしれません。前述したように、設定や背景の描写が緻密なぶん、物語が大きく動き出すまでのペースは比較的ゆったりしています。
また、選択肢のない一本道ノベルなので、「自分で推理を選んでストーリーを分岐させたい」という人には合いません。その代わり、操作で迷ったりゲームオーバーになったりする心配もないため、普段あまりゲームを遊ばない人でも小説感覚で安心して読み切ることができます。
『Tokyo Dark』をプレイしたことがある人なら、同じCherrymochiが原作・シナリオを担当している点は気になるところだと思います。前作は選択肢によって主人公の精神状態や結末が枝分かれする設計でしたが、本作は一直線に物語を追うノベルゲームです。システム面が異なる別ジャンルの作品として楽しむのが良さそうです。
価格は希望小売価格3,520円(税込)で、フルプライスの大作に比べると手を出しやすい設定です。ただ、Steamのユーザーレビューは2026年9月時点で9件とまだ少なく、広く知れ渡っている作品とは言えません。他人の評判だけでなく自分の肌感覚で確かめたい人は、まず無料体験版を触ってみるのが一番手堅い選び方です。
まとめ
『DUSK INDEX: GION』は、1冊の長編小説を丸ごと収めたようなボリュームを持つ本格ビジュアルノベルです。選択肢が存在しない一本道である点や、序盤の丁寧すぎる展開など、確かに好みが分かれる部分もあります。
それでも、サイバーパンク×京都×100年越しの事件という設定は唯一無二ですし、アナログ刑事とデジタル技術者の凸凹バディが見せる掛け合いも大きな見どころです。腰を据えて重厚な世界観とストーリーを味わいたい人には、ぴったりの一本だと感じます。
前作『Tokyo Dark』で東京の闇を描いたCherrymochiが、今回は京都×近未来SFというさらにスケールの大きい舞台に挑んできました。その意欲とこだわりが画面の隅々から伝わってくる作品です。
少しでも興味を持った人は、まずSteamやMy Nintendo Storeで配信されている無料体験版で、あの独特な空気感を確かめてみてください。なお、Xbox版のみ現在も発売時期が未定となっているので、その点だけは注意してくださいね。それでは、良きミステリーライフを!おわり!

