【レビュー】『DUSK INDEX: GION』100年の時を越える怪奇殺人事件に挑むSFミステリー!サイバー京都×アナログ刑事のバディが最高すぎる

dusk index gion keyvisual

どうも、なすです。今回は2026年1月29日にPC/PS5/Nintendo Switch向けにリリースされた『DUSK INDEX: GION』をプレイしたので、その感想をがっつり書いていくよ。

このゲーム、一言で言うと「サイバーパンクな京都で100年前の殺人事件を追うSFミステリー・ビジュアルノベル」。開発は『Tokyo Dark』を手掛けたCherrymochi、パブリッシャーはブシロード。もうこの設定だけで最高じゃない?

DUSK INDEX: GIONのタイトル画面
独特のアートスタイルが目を引くタイトル画面。この時点で雰囲気ヤバい

舞台は”もうひとつの2006年”の京都。ARが日常に溶け込んだ世界

物語の舞台は2006年の京都。でもこれ、僕らが知ってる2006年じゃない。この世界では「LOOM」という拡張現実ネットワークがすでに広く普及していて、みんなARアイウェアを装着して生活してるんだよね。少なくとも技術面では、現実の2026年より大幅に進んでる設定。

京都にはLOOMを運営するハイパーコスミア社の本社が置かれていて、IT企業が集結するサイバーシティになっている。伝統的な建物にネオンサインのようなホログラフィック装飾が映えるっていう、この和とサイバーの融合がマジでたまらない。

サイバーパンクな京都の街並み
伝統的な京都の街並みにAR装飾が重なるビジュアルが圧巻。電脳コイルっぽい世界観だ

主人公は”超デジタル嫌い”のアナログ刑事・勝木

こんなデジタル全盛の世界にいながら、主人公の勝木は筋金入りのアナログ刑事。過去のある出来事が原因で、”現実と仮想の境界”が侵されることに極度の恐怖を抱いていて、可能な限りARレンズを装着せずに生活してる。

デジタル技術はからっきしだけど、その代わりに人の言動や表情からクセを見抜く観察眼がハンパない。このアナログな武器だけで刑事として活躍してきた男なんだよね。正直、最初は「このデジタル時代にそれで大丈夫か?」って思ったけど、プレイしていくとこのキャラクターの魅力にどんどんハマっていく。

100年前の怪奇殺人事件と現代の事件が交錯するストーリー

勝木が捜査に駆り出されたのは、量子物理工学研究所で起きた殺人事件。被害者は自身の研究室で殺害されていて、遺体の下には被害者の血で禍々しい紋様が描かれていた。

殺人事件の捜査シーン
血で描かれた禍々しい紋様。儀式的な殺人を思わせる事件の導入がゾクゾクする

ネットワーク上に手がかりはなかったんだけど、勝木がデータ化されていない古い資料を地道に調べたところ、100年前の京都でまったく同様の殺人事件が起きていたことが判明する。ここからが本当に面白い。

そこで登場するのが、LOOMを運営するハイパーコスミア社から派遣された若きネットワーク技術者「クイン」。彼女は100年前の京都をまるごと再現する歴史シミュレーションプロジェクト「エコーズオブキョート」の設計者で、当時の人物をAIとして再現して情報を得られるという。

クインとエコーズオブキョート
超デジタルネイティブなクインとの凸凹バディ感がたまらない

こうして“超デジタル嫌い”と”超デジタルネイティブ”の凸凹バディが結成。アナログとデジタルの両面から100年の時を越えた難事件に挑むことになる。この設定だけでもう勝ちじゃない?

丁寧すぎる描写と独特のアートが作り出す世界観

このゲーム、世界観がかなり入り組んでる。わざわざ現代じゃなく2006年という設定で、かつ現代より技術が進んでいるっていう。飲み込むのに最初はちょっと苦労した。

でもそこは非常に丁寧な描写でカバーしてくれてる。いわゆる「地の文」がなく、キャラクターの内面は独白のような形で表現される。それぞれの人物が何を思い、どうやって世界を解釈しているのかが丁寧に描かれるから、しっかり情報を噛み砕いて読み解けるんだよね。

時代を少し過去に寄せることで、キャラクターが時代の変化を直接体験している様子を描いているのも面白い。アナログな生活が残る時代とデジタルが浸透した世界の対比がキャラクターの中で生きてる感じ。

ハッキングシーンのビジュアル
技術的なシーンでは独特のビジュアライズが展開。このアート表現がめちゃくちゃクール

独特な世界を描くアートもよく作り込まれていて、技術的な面はグラフィカルな表現でスタイリッシュに描き、難しすぎる印象を与えないように工夫してるのも好印象。全体的に緊張感が強い作品だけど、合間のインターミッションでちょっとコミカルな場面が挟まるのもバランスが良い。

気になった点:描写が丁寧すぎてテンポが…

ただ正直に言うと、大きな謎に挑むサスペンスものとしてはちょっと引っかかる部分もあった。それは複雑な世界観とストーリーに対して、枝葉にあたる要素の描写が丁寧すぎること。

謎が提示されてから現代と過去が物語上で直接的に重なるまで約1時間、実際に勝木がエコーズオブキョートを探索するまで2時間以上かかった。過去と現在の接続はプレイヤーにとっては結構早い段階で分かるんだけど、キャラクターがそれを探り当てる過程も詳細に描かれるから、ちょっと間延びした印象を受けてしまう場面はある。

とはいえ、この丁寧さのおかげでキャラクターに人間らしさを感じ取れるのも事実。勝木はデジタル嫌いだけど、「実力でデメリットを全てねじ伏せるスーパー刑事」ではなく、普通に技術がなくて困るシーンも多い。なんなら現代人からすると鼻につく描写も(おそらく意図的に)用意されてる。でもそこにバックボーンがあって、受け入れられない理由がちゃんとある。この人としての複雑さが良いんだよね。

まとめ:黙々と物語を楽しめる人には刺さりまくる本格ビジュアルノベル

『DUSK INDEX: GION』は1冊の小説をまるごと収めたかのようなコンテンツ量を備えた本格ビジュアルノベルだ。基本的に選択肢は存在せず、いろいろな意味でクセの強い作品ではある。

でも、サイバーパンク×京都×100年越しのミステリーという組み合わせは唯一無二だし、アナログ刑事とデジタルネイティブの凸凹バディの掛け合いも魅力的。じっくり腰を据えて物語と世界を楽しめる人にはぴったりの一本だと思う。

開発のCherrymochiは前作『Tokyo Dark』でも東京を舞台にしたミステリーを描いていたけど、今回はさらにスケールアップして京都×SFに挑戦してきた。その意欲と完成度は十分に感じられる作品だったよ。

ゲーム情報

  • タイトル:DUSK INDEX: GION
  • 開発:Cherrymochi
  • パブリッシャー:ブシロード
  • 対応プラットフォーム:PC/PS5/Nintendo Switch(Xbox版は2月27日発売予定)
  • 発売日:2026年1月29日
  • ジャンル:ビジュアルノベル(サスペンス系SFミステリー)